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[特許・実用新案・意匠/中国]改正専利審査指南 2026年1月1日施行(第4回) ~特許権の存続期間の補償編~

 既報の第3回では、優先権譲渡証明書に関する改正点を解説した。今回は特許権の存続期間の補償に関する改正点を解説する。

 今回の改正により、特許権の存続期間の補償が与えられない(=補償の対象外)パターンに、拒絶査定不服審判(以下、不服審判)に関する新たなケースが追加された。

1.制度の概要
 特許権の存続期間の補償とは、特許付与過程における中国国家知識産権局(以下、CNIPA)側の不合理な遅延によって実質的に短縮された権利期間を補うことをいう。

 専利法実施細則78条2項に基づき、以下の式により補償可能期間(日数)が算出される。

 補償の対象となるのはCNIPA側の不合理な遅延であるため、上記の式のとおり「合理的な遅延」に相当する期間は補償可能期間から差し引かれる(つまり補償の対象外となる)。

2.改正の背景
 従来の審査指南第五部分第九章2.2.1節では、不服審判手続きにおいて「合理的な遅延」に当たるのは、「出願書類の補正を伴う場合による遅延」に留まっていた。

 しかし、CNIPAの改正説明によれば、不服審判手続きにおいて拒絶査定の理由を克服する方法は補正に限られないため、従来の規定だけでは不十分であるとして、以下のような改正趣旨が示された。

3.改正の内容
 今回の改正により、従来の「出願書類の補正を伴う場合による遅延」のほか、実体審査段階で提出していなかった「新たな理由又は新たな証拠」に基づく不服審判手続きによる遅延というケースも、「合理的な遅延」に追加された。

 すなわち、不服審判手続きにおいて新たな理由又は新たな証拠の提出に基づいて拒絶査定が取り消された場合の遅延については、特許権の存続期間の補償の対象外となった。

 ここでいう「新たな理由又は新たな証拠」については、拒絶査定の前に、出願人がそれを提出する機会があったにもかかわらず提出していなかったか否かを基準に判断される。CNIPAの改正にあたっての公式説明会では、この基準に基づく具体的な適用場面として、以下の2つの事例(証拠に関するもの、及び理由に関するもの)が示された。

※ 聴聞原則:審査官は拒絶査定をする前に、拒絶の根拠となる事実、理由及び証拠を出願人に通知し、少なくとも1回、意見を陳述し、及び/又は出願書類を補正する機会を与えなければならないという原則。

 公式説明会では、上記表とは逆の結論となる事例(「新たな証拠」に該当しないもの、及び「新たな理由」に該当するもの)については言及されなかったが、同じ基準で判断するものと考えられる。

【出典】
1.CNIPA「关于修改《专利审查指南》的决定(局令第84号)
2.CNIPA「关于修改《专利审查指南》的说明
3.CNIPA「2025年《专利审查指南》修改内容解读
4.CNIPA「关于《专利审查指南修改草案(征求意见稿)》的说明」等

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